中島らも追悼ライブ「うたっておどってさわいでくれ 〜RAMO REAL PARTY〜@難波Hatch

yoshinyoro2004-10-14

6時間に渡る愛に溢れるトーク&ライブだった。
ラストの「いいんだぜ」での生前のらもさんのVTRで泣いてしまった。
(以下は思い出しながら書いたんですが、出演者の多さと6時間のスタンディングのために間違いが多々ありますがご了承)
会場時間に合わせて17時ちょうどに難波Hatch到着。
秋にしては冷たい風が吹く中、外で待つこと30分。
予定より段取りが遅れているのか、整理番号300番台後半だった私は5時45分に入場。
入口付近でちんどんや通信社の賑やかな演奏でお出迎え。
ドリンクコーナーに行くと、生前らもさんの写真や、着用してた服にトレードマークのグラサン等が展示してあり、複雑な思いになった。
で、会場に入るとお香の漂う中で、シタール奏者の方がまったりと演奏されてた。
後部の椅子席が埋まってたため、中央前から10列目あたりをキープし、ステージをぼけぇと観察。
真正面にらも氏がニヒルに(?)に微笑んでいる写真が飾ってあり、ステージ向かって右側に胡蝶蘭の飾ってある木製の台、そのやや真上からダブレネックのアコギとアコギが吊るされていた。
シタールの優しい音色は、ラーガから次第にブルースコード進行のルート音を奏ではじめ、セブンスのペンタトニックのソロも聴かせる展開で面白かった。
シタールが引き上げ、舞台上の台のところに遺骨を納めている箱をお爺さんが置きにくる。
箱を包んでいる風呂敷を解き、慎重に台の上に置く。
隣に並んでお供えのワイルドターキー。
何度も何度も遺骨に祈りをあげながら、お爺さんはニヤつきながら客席に向かって何か言っていた。
「骨入ってるねん」とかだったと思う。
ゆるいお爺さんのパフォーマンスのあと、司会のキッチュ(松尾貴史)と久野麻子さんが登場。
開会式の前にキッチュのらもさんの声帯模写とらもさんの経歴を読み上げる。
いい出だしで、ここで日広エージェンシーの宮前社長が登場。
らもさんが作家になる前のサラリーマン時代の広告屋の社長さんで、コラムによく出てた方。
生で見ることはできないだろうっと思ってたけど、正直驚いた。
会場も異様に盛り上がってた。
集金の話(焼肉屋さん未納を集金できて、帰りに祝いで焼肉屋さんで飲んだ)とかを嬉しそうに語ってらした。
キッチュの「社長の話、披露宴の挨拶みたい」だったというつっこみで和やかな笑いもとっていた。
献杯の音頭が終わり、翼を背負った天使の格好をした金子美香さんのピアノの弾き語りのあと、ビデオレターに桂吉朝さんと桂雀三郎さん。「テント・横山ノック・立原啓介・原田伸郎旭堂南左衛門桂九雀」さんら登場
その後の最初のトークセッションに桂吉朝さんの投げっぱなしの謎賭け「らもと掛けまして、スパイダーマンと解く」に「一度ハマったら逃れられないでしょう」との解が素晴らしかった。
ノックさんはLoft Plus1でのイベント絡みで出会ったとか。
テントさんは何かのイベントで顔を合わせただけの関係と本人の曖昧な認識でよくわからない話と「うぇうぇ」も聞け面白かった。
原田伸郎さんは「らもさんは自分(伸郎)の50歳の誕生日(事前に知らされてないどっきりパーティー形式)を祝ってくれて、わし(らも)の誕生日もやってほしいと言ってたのに残念」と悲しみを漏らしてた。
その後に三上寛さんがいつものつらくなる歌を3曲ほどアコギ弾き語りで歌って、PISS(山内圭哉、前田一知、吉村久一、コング桑田、樋野展子)の「Love Portion No.9」と「あの子は石ころ」を演奏してたと思う。
ビデオレターに本上まなみさんがらもさんに貰ったサイン入りの赤いおもちゃのピアノでモーツァルトか何かを物悲しく弾いてた。
演劇関係のトークセッションで「枡毅・牧野エミ・G2・川下大洋古田新太宇梶剛士」さんらが思い出を語ってた。
古田新太さんはずっと酔っ払いの態でヤジ飛ばしてたり、キッチュとお供えのワイルドターキーをラッパ飲みするなどしてて、「わしのマイク入ってへんねん」とか言って傍若無人に振舞ってたのも印象的。
らもさんが作ったひょうたんの楽器を使ってザ・ひょうたんフィルハーモニックのアイリッシュな曲を演奏。
コラムでらもさんが書いてたように、ほんとに優しい音色だったなぁ。
「今日は泣かせます」と出てきたチチ松村さんがサックス奏者の女性を伴って何曲か演奏。
朴訥な歌声で聴かせた「坂道」にちょっとクラっときた。
「あなたは褒められすぎた。また一杯やろう」との野坂昭如さんの書面もキッチュが朗読。
文芸関係者でのトークセッションで「町田康いしいしんじ大槻ケンヂ末井昭ひさうちみちおガンジー石原鮫肌文殊」さん
思い出を尋ねられた町田康はずっと話がらも文学論に傾いていってて、語ってる本人は真面目なんだろうが、失笑のような笑いをとってた。
回りくどかったけど、「・・だから、らも小説をこれからも読みましょう」とうまく纏めてたけど、横でひさうちさんがへらへらと酔っ払ってたのも2者のいいコンストラクトだった。
らもさんの灘高の友人の鈴木創士・八幡英一郎さんも出てきて、コラムであった幽霊に扮した話を語ってたなぁ。
ピンでモブ・ノリオさんも「一度らもさんに会いたかった」と熱く語ってた。
忌野清志郎さんはビデオレターに登場。
ピアノを弾きながら「らもぉ〜中島らもぉ〜」と名前だけ連呼してて、面白かった。
ドプロギターでスライドバーでも「らもぉ〜中島らもぉ〜」、バグパイプを吹きながらも「らもぉ〜中島らもぉ〜」
生で聴きたかったけど、そのお茶目さんぶりは会場を和ませてました。
その後にCharさんもオベーションで即席「中島らもブルース」のビデオ出演。
BAHOで出るかなっと思ってたので、少々がっかり。
南正人さんもしっとりフォークで2,3曲。
このへんで22時前に差し掛かってて、いよいよ第2部にようやく突入。
トークが伸び、進行が1時間以上遅れてたみたい。
第2部はMOTHER'S BOYSがバックバンドとなってゲストの演奏が聴けた。
MOTHER'S BOYSのシタール奏者の田中峰彦さん交えてのDoorsの「ハートに火をつけて」のカバー。
石田長生清水興さんとのオリジナル「汚職」とビートルズの和訳「Help!」
汚職」はリリパットで「Red Snake Blues」の思い出に浸ってるかのような怒涛のギターソロぶり。
「Help!」はいつもの歌詞にらもさんの名前を入れてたりして、一番じぃ〜んときたわ。
鮎川誠&シーナとのKinks「All Day And All Of The Night」のカバーと「Lemon Tea」でモッシュ&ポゴダンス大会に。
4時間は立ちっぱなしなのにみんな元気に騒いでたなぁ...ビールかけたりの最前はえらいことになってた。
大槻ケンジさんは「プカプカ」と南正人さんを一緒にBob Dylanの「I Shall Be Released」のカバー。
「プカプカ」はちょっとアレだったけど、「I Shall Be Released」でのオーケンが和訳、南さんが英語で交互に歌ってて和訳も原曲の持つ巣晴らしさを実感できました。
町田康さんの「KYOKO」も憂いを帯びた歌声でよかったです。
それから真打ちの山口富士夫さん登場。
アフロヘアーにガリガリな病んでるロッカーっていう感じ。
「一人でやるから休んでて」とMOTHER'S BOYSに言って、Venturesの「Pipeline」をエッジを効かせてソロ演奏。
村八分の「夢うつつ」も自身で歌ってました。
ルイズルイス加部さんもエレキ持って極上のゆるゆるなJam曲をやってたなぁ。
富士夫・加部両氏は時間が押してるのに終始マイペースぶり。
FATHER'S GIRLSとムッシュかまやつさんでフレンチポップ(曲名忘れ)と「恋のドクター」もぴゅっぴゅっとかわいかった。
私はそろそろ終電がなくなる時間になってたけど、最後の「いいんだぜ」のらもさんの生前のVTRが流れ出したとき、「残らなあかんわ」と思い立った。
生前ライブハウスで「いいんだぜ」の演奏されてる様子がカメラに収められたVTRがスクリーンに映される。
PAから出る生前の歌声と会場のMOTHER'S BOYSとゲストの生の音が徐々に混ざっていく。
会場の「いいんだぜ」の大合唱にスクリーンはテレビに出たらもさんのVTRがアンソロジー的に移り変わっていく。
クイズ番組のパネラーやインタビューの数々が走馬灯のように。
歳をとっていっても、変わらない照れ隠しつつなにかを語りかけてくるらもさん。
下手な生きかたでも「いいんだぜ」と。
酔っ払い泣きながら合唱する舞台上の出演者と観客1300人。
らもさんに追悼しつつ、氏が亡くなったという心の区切りをいいかたちで出来たと思う。
出演しなかったわかぎさんは「おっちゃん、よかったな」と語りかけてたに違いない。
・・以上24時まで難波hatchで宴は続きました。
言葉にならないような感情と最後のちくわ投げでGetした「はも竹」を胸に家に帰った私でした。